
トハがゲーム会社で3DCGデザイナーをしていたとき、ある人がこう言いました。
「なんでもできますよ、制限は想像力だけです。」
何年たっても忘れられない言葉です。
ゲーム会社で働く3DCGデザイナーを目指すなら、
むしろゲーム会社とかデザイナーとか関係なく、クリエイターとして働くすべての人が、心に刻んでおくべき名言だと思っています。
この記事では、CGデザイナーがよく言われる「引き出しを増やす」ということについて、この名言を交えて書いていきたいと思います。
CGデザイナーの就活サイトでよく見る「引き出しを増やす」

ゲーム会社の求人情報を扱っているサイトとかで、こういうの見たことないですか?
Q.
ゲーム会社にデザイナーとして就職したいのですが、やっておいた方がいい事はありますか?
A.
今のうちに色んなゲーム、映画、本、アニメなどを見て引き出しを増やしておいてください。
トハはいっぱい見たことがあります^^
すでに会社で働いている先輩デザイナーさんが、インタビューでよく言ってるイメージです。
任天堂のゲーム開発で知られる、HAL研究所のブログでもこのように書かれています。
案をたくさん出すには、当然、自分の中にたくさんの「デザインの引き出し」が必要になります。
映画やアニメ、ゲーム、ドラマ、本、漫画など、普段からたくさんのものに触れて、自分の中の「デザインの引き出し」を増やすことが、デザイナーにとってはとても重要なことだと私は思います。
出典:【デザイナーの仕事】ゲームビジュアル編|ハル研ブログ
この「引き出しを増やす」ということ、3DCGに限らずWEB業界や出版業界など、デザイナー職ならどこでも言われることのようです。
さらに、ゲーム会社ならデザイナーに限らずプランナー、プログラマーにも言われることです。
ま、確かに知らないよりはいろいろ知ってた方がいいよね、その方がアイデアもいっぱい湧いてきそうだしね、と思います。
だけど、「引き出しを増やそう」と言われる理由は、単にそれだけじゃありません。
「引き出しを増やそう」と言われるホントの理由

「引き出しを増やそう」と言われる理由、その根底にあるのがまさにこれです。
「なんでもできますよ、制限は想像力だけです。」
これは、トハが勤めていたゲーム会社の社長の言葉です。
その社長は、社長でもありプログラマーでもある人です。ある日社長が社内システムを自作して、それが機能も豊富ですごかったので、「へぇ~プログラムってこんなにいろいろできるんすね~」
なんて感想をトハが言ったとき。その返しがこの言葉でした。
この言葉を聞いたとき、Σハッ!としました。
制限は想像力だけ??
そうか、自分が頭の中に想像できないものは、ぜったいに作り出すのが不可能で、
つまり頭で想像することができれば、なんでも作り出せる可能性があるってことなのか…!
と。
デザイナーが「引き出しを増やせ」と言われるのは、想像力を育てる必要があるためです。
なんせ「制限は想像力だけ」です。
唯一にして最大の「想像力の制限」を広げるためには、いろんなものを見て、聞いて、体験して、豊かな想像力を育てておかなければなりません。
「デザインの引き出し」を増やすこと = 「想像力の制限」を広げること
つまるところ、これに他ならないのではと思います。
制限は想像力だけ。
これってほんとうに、なんにでも当てはまります。
デザイナーはもちろん、作りたいものがイメージできなければそれ作り出すことができません。
プログラマーが頭で組み立てられないプログラムは、実際にプログラムすることはできません。
ゲームプランナーが企画を思い浮かべられないゲームは、この世に生まれることはありません。
頭で想像はできるけど、技術的に実現不可能ってこともあります。でもそれは、技術の問題さえ解決すれば実現できるってことです。可能性はゼロじゃない。
人の頭に想像できないものが人の手から作り出される可能性は、完全にゼロです。
例えば、”まだ誰も見たことがないようなグラフィック”のゲームを作りたいなら、”まだ誰も見たことがないようなグラフィック”をまず頭に思い描けなければ、作り出すことはできません。
3DCGデザイナーとして働くなら、
引き出しを増やし、「想像力の制限」の枠をできるだけ広げていきたいところです。
引き出しを増やすには?おすすめは”興味を持つ”こと

デザイナーが「引き出しを増やそう」と言われる理由については分かりましたが、具体的にはどうやって引き出しを増やしたらいいんでしょうか。
もちろん、よく言われている通り映画、ゲーム、本、アニメ、などをたくさん見るのもいいです。
演劇やオペラや歌舞伎を見に行ったり、海外旅行へ行ってみたりするのもいいです。
だけど、「引き出しを増やそう」と言われたからといって、”興味がない”のにいろいろ見るのは、あまりおすすめしません。
人間は”興味がない”ことはすぐ忘れます。
興味がないまま見ても大して記憶に残らず、自分の中の「引き出し」として残らなかったらぜんぜん意味がありません。
だからまずは、興味があることの中から見てみるのがいいと思います。
映画が好きなら映画をたくさん見る。
本が好きなら本をたくさん読む。
自分が好きなことは苦にならないし、もともと興味があることだから熱心に取り組めます。
自分の趣味や好きなものがある人なら、いくつかの「引き出し」をすでにを持ってると思います。
趣味とか好きなことあんまりないんだよなぁ、あるいは
興味あることだけでは引き出しの種類が少ないかも、というときはどうすればいいのか?
トハのおすすめは、”興味を持ってみる”ことです。
”興味がない”ものを垂れ流して見ても記憶には残りませんが、意識して”興味を持って”見てみることで発見があったりします。
興味の持ち方にもいろいろありますが、
例えばやったことのないゲーム。
「このゲームやったことないなーあんまり興味もないしなー」だとこれで終わりですが、
「このゲームやったことないな~試しに1回やってみるか!」でやってみたら、実は意外と楽しいかもしれません。
例えば好きじゃないアニメ。
「あーこのアニメおもしろくないわー好きじゃないわー」って思って見たらそれで終わりですが、
「このアニメってなんでおもしろくないの?なんで好きじゃないんだ?」って思って見たら、別の意味でおもしろいです。
つまり、
- 食わず嫌いせずに1度は興味を持ってみる
- つまらないと感じたらそう感じた理由に興味を持ってみる
という感じで、自分で意識的に”興味を持ってみる”ことで、「引き出し」の数や種類を少しずつ増やしていけるかと思います。
ま、でも人が持つ時間には限りがあるので、基本は興味があるもの優先でいいと思います~
広く浅くいろんなことを知るのも、狭く深くひとつのことに詳しくなるのも、どっちもそれぞれ良さがあります。
会社のいいところは、いろんな人が集まるところです。
ひとりのデザイナーがぜんぶの範囲をカバーする必要はありません。いろんな趣味や特技がある人たちが集まって、それぞれの持ち味を組み合わせられるのが会社という場所です。
だから、自分の引き出しを増やして、自分の持ち味を作っていけば、それが3DCGデザイナーとしての個性や強みになっていくと思います。
まとめ:想像できないものは作れない、引き出しを増やす=想像力を育てる

デザイナーがよく言われる「引き出しを増やそう」のホントの訳、その答えがこれです。
「なんでもできますよ、制限は想像力だけです。」
人は、頭で想像できないものは作り出すことができません。
だから、普段からいろんなものにふれて知見を蓄え、想像力を育てていく必要があります。
蓄えた知見、育てた想像力が、3DCGデザイナーとしての「引き出し」になります。
短い時間でいきなり引き出しを増やすのは難しい事なので、やっぱり常日頃から意識して、いろいろなことに興味を持ってみるのがいいですね。
ちなみに「制限は想像力だけ」って、実は世の中の真理じゃないかと思ってます^^
難しいから誰も思いつけないだけで、”世界が平和になる方法”でさえも、思いつきさえすれば実現できる可能性があるってことですよ~これってロマンじゃないですか?
国民的人気漫画ワンピースにもこんな一説があります。
人が空想できる全ての出来事は起こりうる現実である。
ONE PIECE 第218話より

ちょっと意味ちがうか~
当ブログでは、他にもいろいろ3DCGデザイナーや、3Dモデル作成に関する記事を書いています。ぜひとも興味で読んでみてくださいな^^
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