キャラのモデリングは三面図必須?三面図に頼りすぎるモデリングをおすすめしない理由

キャラモデリングは三面図必須?

キャラクターの3Dモデルを作るとき、三面図があればもちろん便利です。

正面、側面、背面の全体像が描かれている訳ですから、あれば当然モデリングがやりやすいです。

だけど、三面図に頼りすぎる3Dモデルの作り方は、トハ的にはあまりおすすめしていません。

おすすめしないのには理由があります。

  1. キャラクターの三面図はないこともある
  2. キャラクターの三面図は3D的に矛盾していることがある
  3. キャラクターの三面図はトレースしてもうまくいかない

この記事では、三面図に頼りすぎるモデリングをおすすめしない理由について、いろんな例を交えながら書いていきます。

  • キャラモデル作るとき三面図って必要なん?
  • 三面図描くのが難しくてモデリングに進めないー
  • 三面図トレースしてるけどかわいいモデルが作れない…

こういう疑問やお悩みを感じたことがある人は、ぜひこの先を読んでみてください。

 

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キャラクターの三面図はないこともある

・・・・・・。

そもそものはなし。

仕事でキャラクターの3Dモデルを作るとき、三面図が必ず用意されているとは限りません。

トハはこれまでお仕事で、50体以上のキャラの2Dイラストを3Dモデルに起こしてきましたが、きっちりした「三面図」状態の資料が用意されていたことはほとんどなかったです。

「三面図」ではなく「三方向から見たイメージ図」の資料が用意されてることはよくあります。

または「ちょい斜め前から図」と「ちょい斜め後ろから図」がセットのパターンもあります。

「三面図」がなくても、これらの資料でそのキャラのデザインはだいたい把握できるので、3Dモデルを作ることは可能です。

ただときにはこういう資料もなくて、「既存のカードイラスト」とか「公式が出してるキャラの立ち絵」などから、そのキャラクターの3Dモデルを作るような場合もあります。

 

ということで、

もし ”キャラクターの3Dモデルを作る仕事がやりたい” と考えている場合は、

きっちりした三面図がなくても、キャラクターをモデリングできる力が必要になってきます。

 

三面図なしでモデリングする力は、筋トレみたいなもんで鍛えれば身に付けることができます。

もしくは何枚かのキャラクター絵から、自分で三面図が描けるようになるかです。

実際に資料として側面や背面の絵がないときは、自分でラフ絵を描いてみることがあります。
(参考記事:作成するモデルのクオリティは資料集めで決まる!?資料はたくさん集めるのが吉

 

ただ、もし1枚のキャラ絵から完璧な三面図を起こせるような力があれば、それってモデリング自体もうできちゃうのでは?とも思います。

 

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キャラクターの三面図は3D的に矛盾していることがある

!?

完璧に正しい三面図を描くというのは、ほんっとうに難しいことです。

完璧な三面図が描ける人は、もはや頭の中で3Dモデルが完成しているように思います。

自分で三面図を描いてみて、あるいは用意してもらった三面図をもとにして、キャラクターのモデルを作ったことがある人は分かると思いますが

  1. 三面図の通りに作ろうとすると3Dモデルに無理がでる
  2. 3Dモデルをいい感じに作ろうとすると三面図の見た目にならない

こういうことはよくあります。

キャラの三面図が3D的に完璧に正しいことは稀で、どこかしらに矛盾があるほうが普通です。

三面図というのはそれくらい、描くのが難しいものだと思っています。

特にキャラクターの三面図は、2Dデザイナーやイラストレーターが描くことが多く ”イラストとしての見栄え” が重視されている場合もあります。

 

実際に仕事であった三面図に、こういうものがありました。

3D的に矛盾がある三面図のサンプル

例なので分かりやすくしていますが、3Dモデル的にはぜったい再現できない箇所があります。
どこかというと、スカートの部分ですね。

3D的に矛盾がある三面図のサンプル:答え

イラストとしては違和感がないし前からも横からもかわいいんですが、スカートの上がってる部分と下がってる部分が正面と側面で合わず矛盾してます。

こういう「3D的に矛盾している三面図」が客先から渡されてしまったとき、ちょびっと困ります。

落としどころとしては、

代替案A:スカートのアールを捨てて直線的にする
代替案B:正面のアールを優先して横の見た目は妥協する
代替案C:正面のアールを維持しつつ横の見た目もマシにする

こんな感じになるかと思います。
どうするにしても、念のため客先さんに確認してみた方がいいやつです。

これは一例ですが、こういうことはわりとあります。想像で正しい三面図を描くのは、それだけ難しいということなんです。

 

完全に三面図に頼りきってモデリングすると、2Dと3Dの思わぬ矛盾に悩まされたりします。

三面図は役に立つ資料ですが、多少の矛盾はあって当たり前~くらいの気持ちで見ながら、うまく活用するのがいいと思ってます。

そのほうが精神的にもみんな安らかでいられる、というのがトハの見解です^^

 

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キャラクターの三面図はトレースしてもうまくいかない

もやもや

仮にです。

ぜったいに矛盾がない、完璧なキャラの三面図があるとします。

完璧に正しい三面図なら、その三面図をトレースすれば3D的な矛盾もないし、三面図の通りに作るだけで完璧な3Dモデルができるはずです。

でも実は、完璧な三面図をトレースしても、完璧な3Dモデルが作れる訳ではありません。

この原因は2つあります。

  1. 3Dビューポートの画角の問題
  2. 3Dモデルを斜めから見たときの問題

2つの問題について、順番に見ていきます。

 

・3Dビューポートの画角の問題

3Dモデルを作るときMayaやBlenderなどの3DCGソフトを使いますが、モデリング中ずっと見ているウィンドウがあります。それが3Dビューポートです。

パースペクティブビューと言ったりもしますが、ビューは要するに3D空間をのぞきこむ窓みたいなものです。そして、ビューからのぞきこむ3D空間には”画角”があります。

画角は”パース”とも言い換えることができます。ソフトによっては画角の代わりに”焦点距離”という言葉を使うこともあります。

この辺はカメラに詳しい人に教えを請いたいくらいなのですが、3DCGをやるにあたっては最低限これだけ知っておけばなんとかなります。

  • 画角が広い=広角レンズ=焦点距離が短い=パースがきつい=物が歪んで見える
  • 画角が狭い=望遠レンズ=焦点距離が長い=パースがゆるい=物の形が歪まない

画角がちがうと見え方がどうちがうのか?これは実際に見てみた方が早いです。

画角(焦点距離)の違いによる3Dモデルの見え方の違い

同じ3Dモデルでも、画角がちがうと見え方が変わります。

このキャラのツインテールは特徴的な部分ですが、画角と3Dモデルのズーム具合によって、ツインテールの見え方が全然ちがっています。

「画角が狭い=焦点距離が長い」ほうが見え方の変化は少ないですが、実際は多少変わってます。

キャラクターのモデリングでは、焦点距離を長めに設定しておくのがおすすめです。
参考記事↓
Blender 2.8を始める③ ~快適にモデリングするためのおすすめ初期設定~

 

ここで三面図をトレースするはなしに戻ります。

3Dビューポートにガイドとして三面図を置けば、三面図にも画角がかかります。そして、
3Dモデルの見え方はビューの画角設定とズームイン/ズームアウトする距離で変わります。

この状況下で、三面図を正確にトレースするというのは、かなり難しい作業だと思います。

 

じゃあ3Dビューの画角をオフにしたり、フロントビューやサイドビューなどの”画角がない”ビューでトレースすればいいかというと、これはちがいます。

画角がない状態なら三面図を正確にトレースできますが、最終的に作った3Dモデルが人の目に映るときは”画角がある”からです。ゲームでもVRでも、画角が完全にない映像はほぼありません。

キャラクターモデラーがやるべきことは、最終的に人の目に映るキャラクターをかわいく/かっこよく作ることであって、決して三面図を正確にトレースすることではないです。

 

・3Dモデルを斜めから見たときの問題

この問題についても見た方が早いので、3Dモデルの例で見ていきます。

ここにキャラモデルAとBがあります。2つのモデルは正面、側面から見たときは同じです。

だけど、この2つのモデルは斜めの角度から見ると同じではありません。

3Dモデルを斜めの角度から見たときの違い

3Dモデルを斜めから見たときの問題とは、ズバリこれのことです。

3Dモデルは360度の立体的なボリュームを持っているので、正面と側面だけ合わせても斜めからの見た目が同じとは限りません。

特に、キャラクターのような有機的なラインを持つ3Dモデルの場合は顕著です。

それにです。

実はキャラクターのモデルを、真正面や真横から見る機会はあまりないんです。

ゲームでもアニメでも映画でも、登場人物のカットは斜めアングルからのものが多いです。

特に2Dイラストで描かれるキャラクターというのは、斜め顔の印象が非常に強くあると思います。

好きなアニメや漫画のキャラクターを頭に思い浮かべようとしたら、だいたいちょっと斜め角度の顔が思い浮かんでこないですか?

キャラクターの3Dモデルにおいて、斜め顔の印象はものすごく大切です。

そして斜め顔のラインは、三面図からトレースすることはできません。

つまりこれが、三面図をトレースしてもいい感じの3Dモデルが作れない大きな原因になります。

 

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三面図に頼りすぎないモデリングの力を鍛える方法

なんか知った風なことをいろいろ言っているトハですが、実際これは知っていることです。

なぜならトハはむかし、三面図をトレースしてキャラクターの3Dモデルを作っていたからです!

しかも仕事でやってました。で、やってみてできた3Dモデルを見て思いました。

トハ
トハ

三面図トレースしたのに三面図と見え方ちがう!しかもなんかかわいくない!!

 

このときのトハは思いっきりフロントビューでトレースしていたので、”画角なしでトレースしたモデルを画角ありでみたら印象がちがう”、ということがまさに起きてました。

さらには三面図をトレースしているとき、意識はぜんぶ ”絵の線をトレースすること” に向いています。もはやこれは “絵の線をトレースする作業” になってしまってます。

ガイド画像の絵とズレがないかどうか見てばっかりで、「そのキャラモデルは人の目から見てちゃんとかわいいか?かっこよくなってるか?」ということをぜんぜん見れてませんでした。

 

これに気付いてからトハは、キャラクターをモデリングするとき、ビューポートにガイド画像を置くことをやめました。ガイドを置くと、どうしてもガイド画像の線を追ってしまうからです。

ガイド画像を置かない!というルールを自分に課したわけですね~

そうするとどうなるかというと、
手元の資料やサブディスプレイに映した参考画像を、めちゃくちゃよく見るようなります。

本当にめちゃくちゃよく見ないと、どうやってモデリングしたらいいか分からないからです。

頭の大きさどれくらい?手足の長さは?腰の位置は?体の厚みどんなもん?髪のボリュームは…

こうやって資料をめちゃくちゃよく見ていると、だんだんと【見る目の力】が付いてきます。

そしてこれが、【三面図に頼りすぎないモデリングの力】を鍛えることと同義です。

!

見る目の力を鍛えるって、そんなすぐできるの?と思うかもしれませんが、すぐは無理です。

筋トレしても筋肉がすぐムキムキにならないのと同じで、見る目の力もすぐには鍛えられません。

だけど、鍛えようとしなければいつまでたっても見る目の力は付きません。

 

とは言え。

最初からいきなりガイド画像なしでキャラのモデルを作るとか、難しいです。

だから、いきなり完璧にやろうとしなくていいと思います。

最初は三面図トレースで作ってみるのもいいです。トハもやってました。だけど、そうやって作ったモデルを自分で見て、あんまし似てないな、なんかかわいくないな、って思うときがきたら。

そのときは【見る目の力】のことを思い出してください。

三面図だけじゃなくて斜め顔の参考イラストなんかをよくよくよーく見ながら、作ったキャラがかわいくなるように修正してみてください。

イラストをよーく見て、かわいくかっこよく似てるように修正する、これを繰り返していれば【見る目の力】はだんだん自然に鍛えられます。同時にモデリングの力も鍛えられます。

続けていればゆっくり確実に力が付いてくる、3DCGはなんやかんやでそういうものです。

 

モデリングにおいて1番重要なのは【見る目の力】、観察力だとトハは思っています。

これは極論ですが、作る対象の物をよくよくよーく観察して、その形を完璧に把握できたとしたら、あとは観察したとおりに作るだけで非常に再現率の高い3Dモデルができあがります。

特にキャラクターの2Dイラストから3Dモデルを起こすような場合は、とにもかくにも2Dイラストに似ていることが絶対です。

2Dイラストに似せることは、まずその2Dイラストをよく観察しなければできません。

2Dイラストに似せたうえで、3Dモデルとして見たときのかわいさかっこよさ・見栄えのよさも考えて作っていけるのが、キャラクターモデラーとしての腕の見せ所になると思っています。

 

※ガイド画像をビューポートに置かないモデリングの場合、こちらのソフトがとても便利です~

 

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三面図をトレースした方が作りやすい3Dモデルの例

フムフム…

さて、これまで三面図をトレースするのはおすすめしないと言ってきましたが、これはあくまでキャラクターのモデリングにおいてです。

三面図をトレースして作った方が、作りやすいうえに再現度が高くなるものもあります。

例えば、剣や銃といった武器の類です。

キャラクターのように有機的なものと違って、武器のような人工的なものは長さや厚みが明確です。こういう3Dモデルを作るときは、三面図があればそれをトレースした方が、早いしきれいな3Dモデルを作ることができます。

他にも例えばタンスや机といった家具類とか、ギターなんかの楽器類もトレースの方が早くてきれいかもしれません。

要は形がハッキリしているものですね。

三面図に頼りすぎないほうがいいとか言いつつも、三面図が役に立つ資料であることは変わりありません。使える資料はなんでも便利に活用すべきです。

三面図トレースで作ったほうがいいな、と思った場合はがんがんトレースしちゃってください~

 

まとめ:三面図はあれば役立つ便利な資料、でも頼りすぎるのは危険~

ピコーン

三面図はモデリングの役に立つとてもいい資料です。あるに越したことはありません。

でも必須かどうかと言われたら、必須ではないと思います。

三面図に頼りすぎる3Dモデルの作り方は、以下の3つの理由からおすすめはしておりません。

  1. キャラクターの三面図はないこともある
  2. キャラクターの三面図は3D的に矛盾していることがある
  3. キャラクターの三面図はトレースしてもうまくいかない

そもそも三面図がないこともあるし、あっても3D的に矛盾していることがあるし、矛盾がない三面図をトレースしてもいいキャラクターモデルが作れる訳じゃない、ということです。

三面図を見るのがよくない、なんてことは全然ありません。あるならめちゃ見たほうがいいです。

無条件に三面図を信用して、頼り切ってモデリングするのはちょっと危険かも、ってことですね。

特に三面図をトレースしてキャラクターの3Dモデルを作成すると、ビューの画角や斜めからの見え方問題により、いい感じの3Dモデルにならないことが多いです。

 

【三面図に頼りすぎないモデリングの力】を鍛えたい場合は、3Dモデルを作るときとにかく資料をよーく見て、【見る目の力】を鍛えていく必要があります。

見る目の力を鍛えて、モデリングをたくさんやればやるほど、モデリング力は強くなります。

もしこの記事を読んで、思いあたることがあった人や、これからモデリング力を強くしたいと思う人は、少しずつでも【見る目の力】を鍛えていってみてください~

 

※「3Dモデル作成のこと」で、他にもモデリングに役立つことを書いてます。どうぞご覧あれ^^

 

おまけ:説明キャラモデルの三面図について

この記事で使用している説明キャラモデル(名付けてせっちゃん)の三面図はこれです。

説明せっちゃん三面図

この三面図は、3D的に矛盾がない三面図になっています。

なぜかというと、先に作った3Dモデルをトレースして描いた三面図だからです。

じゃあせっちゃんモデルはなにも見ないで作ったのかというと、そうではありません。ラフの三面図を描いてそれを見て作ってます。

せっちゃんラフ

このラフはトハだけが理解できればいいものなので、ものすっごい適当です~^^

トレースした三面図とラフ画を見比べると、いろいろ違いがありますね。

2Dイラストのイメージと3Dモデルでは、やっぱり矛盾してくる部分があります。なるべく2Dのイメージに寄せつつ、3Dモデルとしての見栄えを優先して作った結果こうなりました。

ラフはリボンが首の後ろにあるけど、作ったらイマイチだったから腰の後ろに変えたりしてます。

せっちゃんモデルができるまでについては、3Dモデルの作り方 ~ゼロからやってみるキャラクターのモデリング~で書いています。

トハ
トハ

ぜひ見てみてください~

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トハ
トハ

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