これはトハのむかし話。
単なるゲーム好きの子供が3DCGに興味を持ち、”将来はゲームを作る仕事をする”という夢を追いかけていたときのはなしです。
3DCGに興味を持ったきっかけはFF7というゲーム
FF7(ファイナルファンタジー7)は、1997年に発売されたプレイステーションソフトです。
そのときトハは中学2年生でした。
小学生のころからゲーム大好きで、特にスクウェア(現スクウェア・エニックス)のRPGはよく遊んでました。友達に借りて遊んだFF6は、美しいドット絵でお話もよかった…
そんなFF6の次のタイトルとして発表されたFF7は、なんとドット絵じゃなかった!
「ゲームはぜんぶドット絵」と思っていたトハにとって、それはもうものすごい衝撃です。
世の中にはこういうゲームがあるのか、すんげ~なんじゃこりゃ~!って感じです。
絶対やりたい絶対ほしい~と思ってはいたものの、トハのご家庭はお金持ちではなかったため、プレイステーションを買うお金がなかった…
しゃーないので、攻略本を買ってきてゲーム遊んでる気分だけ味わっていました。
そんなある日、
クリアしたからFF7貸したろか?
でもプレステ持ってへんもん
プレステ本体ごと貸したんで?
まじか!!貸してくれぇ~!
ということでFF7を遊べることになったんです!
あのときプレステとFF7を貸してくれた友達、ありがとうな。この恩は一生忘れないよ…
そうして、友達のプレステで起動したFF7のオープニング。
感動しました。
めちゃくちゃかっこいい…!!これ本物か?!と思いましたね~
いまの発展しまくったCG技術からみれば、ぜーんぜん大したことないかもしれません。
でも当時ゲームを遊んでた子供にとったら、CGムービーなんて初めてでしたからね。
それに加えてFF7というゲームは、キャラ・世界観・ストーリーどれをとってもすばらしくて、中学2年という多感なお年頃のトハに、多大な感動と影響を与えてくれました。
断言できますが、FF7というゲームがなかったら今のトハはいなかったです。
勉強ぎらいの中学生を先生のひと言が変える
FF7のおかげで毎日が楽しいトハに、楽しくない現実がやってきます。
中学2年生といえば、ちょうど自分の進路を決めなければいけない時期です。高校受験です。
このころトハは勉強がきらいでした。だって勉強よりゲームして遊んでる方がずっと楽しい。
学校の勉強は、テストで悪い点を取ると親に怒られるから、それがイヤだからするもんでした。
受験勉強とかやりたくねーなーと心底思ってました。
そんなときクラス全員の生徒に向けて、担任の先生から進路指導のはなしがありました。
先生は言います。
高校は、勉強するための場所です
だから勉強きらいなやつは、高校行かんでもいい
え、まじで?でも高校ってみんな行くもんじゃないの?
みんなが行くから行くもんじゃない
高校行かずに大工の棟梁になったやつもいる
そうなん?そんなことできるんや~じゃあ高校行かんとこかな。勉強きらいやし。
一時期ほんとにそう思ってたんですが、先生はこうも言ってました。
高校は行かんでもいいけど、自分の将来は考えんとあかん
大工の棟梁になった子は、高校へ行かずに大工に弟子入りした。それで大工になった。
じゃあ将来自分は何になりたいか?と考えたとき、思い浮かんだのが「ゲームを作る人」でした。
トハはゲームが好きで、絵を描いたり工作したり、手を動かしてなにかを作ることが好きでした。
好きこそものの上手なれと言います。
ゲームを作る仕事なら、楽しそうだしうまくできるかも?単純ですけどそう考えます。FF7で見たかっこいいCG、ゲームの中でも特にあれを作りたいと考えるようになりました。
トハの進路は決まります。CGの勉強をするために高校に行って、ゲームを作る人になる!
CGの勉強ができるというはなしを信じて高専へ
進路は決まりましたが、CGの勉強はどの高校に行ったらできるのか?これがよくわからない。
想像できないかもしれませんが、このときスマホはまだ世にありません。パソコンもインターネットもまだ一般的には普及してない時代です。
中学生がなにか調べたいと思っても、自分で調べられる手段なんてほとんどありませんでした。
学校のカリキュラムは、いまならその学校のホームページを調べればすぐわかります。でも当時は、学校のパンフレットを集めて調べるくらいしかできません。
そんなときトハ母がやって来てこう言いました。
高専って学校に行ったらCGの勉強できるんやって~
!!
高専というのは工業高等専門学校のことです。国立の5年制学校でした。
ロボコン(ロボットコンテスト)でロボットを作って動かしているのはだいたい高専生です。ロボコンは電子制御科や電気科ですが、情報工学科というコンピュータ関係の学科があります。
ここに行けばCGの勉強ができると、トハ母が言うのです。
聞けば最寄りの高専は、自宅から近い場所にある。通学がラクでCGも勉強できるとあれば、行くしかないです。
勉強きらいだったトハもがんばって勉強して、めでたく高専へ入学できることとなりました。
………
しかしですね、
高専に入って3年くらいしてから、高専のカリキュラムにCGはない、ということを知ります。
情報工学科はたしかにコンピュータ関係の学科ですが、メインはプログラミングだったんです。
画像処理という授業はありましたが、それは今でいう顔認識とかの技術であって、決してゲームで使うようなCGのことではありません。
CGの勉強をするために行ったはずの高専で、トハは5年間プログラミングなどを勉強しました。
ま、でもね~高専でCGはできなかったけど、結果的には行ってよかったと思ってます。
パソコンを使えるようになったし、プログラムの勉強したこともぜんぜん無駄にはならない。
あと高専は5年間クラス替えがないおかげで、人付き合いをニガテとするトハもクラスのみんなとは気軽にしゃべれるようになりました。
そんな高専生活も、5年生になるころには再び進路を決める時期がやってきます。
就職活動でゲーム会社へ自由応募、でも全部落ちる
高専からの進路は、進学するか、就職するかの2択です。
トハはゲームを作る仕事がしたかった訳ですから、就職をえらびます。
高専生がやる就職活動というのは、世間一般的な就職活動とはちょっとちがいます。
まず会社から高専に求人がきます。高専は求人に対して希望する学生(1~2人)を推薦し、推薦をもらった学生はその会社の入社面接を受けます。
学校推薦で会社の入社面接を受けると、大きな問題がない限りたいてい受かります。
会社にとっても高専卒は、大学卒よりも給料は安くて専門的な知識はある、という優良物件です。
そんなWin-Winっぽい学校推薦制度ですが、高専に求人がこない会社へは就職できません。
トハがなりたいのはゲームを作る人です。ゲーム会社の求人が高専にくることはありますが、あっても100%プログラマーの募集です。
トハはCGがやりたいんです。それはプログラマーではできません。
たとえCGの勉強をしたことがなくても、チャレンジもせずに希望してない会社へ就職するのはなんかイヤでした。
ということで、担当教師の反対を押し切り、自由応募での就職活動を始めます。
知識も技術もないシロウトなりにいろいろ考え、いくつかの大手ゲームメーカーに自分で応募しました。ゲーム会社に足を運んで、入社試験を他の学生と一緒に受けたりします。
が。ま~見事にぜんぶ落ちましたね~。
気持ちだけじゃどうにもならんこともあるのだ
ところで、自由応募について頭ごなしに反対していた担当教師ですが、トハの決意が固いことを知ると「待つから、だめになったら言いなさい」と言ってくれてまして。
勝手に自由応募してぜんぶ落ちて、やるだけやってダメだと分かったら妙に納得したトハです。
そのあとは担当教師のすすめを素直に聞き、とある会社の入社面接を受けることになります。
一般の会社へ就職、社会人として大切なことを学ぶ
幸運なことに結果は合格で、ちゃんと就職できることになりました。
就職が決まった会社は、日本全国に工場や事業所を持ち、幅広い製造業をしている大きな会社です。そこのIT部門に入社します。
IT部門ですがプログラミングの仕事ではなく、システムの開発費やサーバー関連の経費管理をしていました。そのうちに、いわゆる社内SE的な仕事も兼任でやることになります。
ぶっちゃけ仕事の内容は、トハにとっておもしろいものではなかった。そりゃCGやりたかった訳ですから、全然ちがいますしね。毎日めちゃくちゃねむかった…
でも、この会社ではほんとうに多くのことを学ばせてもらいました。
感謝…
もしトハに、社会人として必要なマナーや常識が備わっているとしたら、それはぜんぶこの会社で先輩や上司に教わったものです。
自分でもあとになって分かったことですが、一般の会社で社会人として働いた経験は、ゲーム会社に転職してからも大いに役に立ちます。
仕事はおもしろくはなかったけど、先輩や上司は尊敬できるいい人ばかりだったので、おもしろくないなーと思いつつ気付けば4年もたってました。
やっぱり夢をあきらめたくない!3DCGデザイナーへの転職を決意
そんな折、入社時からトハと仲良くしてくれていた先輩ふたりが、立て続けに退職するというはなしを聞きます。ひとりは保育士、ひとりはインテリアコーディネーターになるためだといいます。
みんな自分のやりたいことがあるんか…トハにもやりたいことはあったよ、だめだったけど…
と思ってちょっとかなしくなったりしましたが、いや、でも待てよ、と。
今からでも転職できるのか?先輩だって他業種への転職だ、やってやれないことはないかも?
そう考えだしてからは、どんどん思いが強くなっていきます。
一度はダメになって自分でもそれを納得していたはずなのに、きっとまだゲームを作る人になることへの未練があったんですね。
そして、
ええいダメもとでもっかいやってみよう!今度はちゃんとCGの勉強してから応募する!
と、3DCGデザイナーへの転職活動を開始します。
ここから先は、3DCG未経験の社会人が3DCGデザイナーになるまでにやったことで書いてます。
おわりに
ながーいむかし話を読んでいただき、どうもありがとうございます~
この記事を読み切ったあなたは、だいぶトハについて詳しくなったかと思います^^
特にお礼できることもないのですが、もしなにかトハに聞いてみたいことなどありましたらいつでも受け付けております。
記事下のコメントからでも、お問い合わせからでも、TwitterからでもOKです。
お気軽にどうぞ~
↓もしよければ、当ブログの人気記事なども読んでみてくださいな~
コメント一覧
はじめまして。
3Dモデルをわかりやすく解説してくれている情報を探していたら、トハさんのこのブログに辿り着きました。
わかりやすいだけでなく、トハさんのモデリングがシンプルで無駄がなく、勉強にモチベーションがあがるプロポーションとクオリティだったことが、私をさらに魅了させました。
このようなブログを運営、情報公開していただき、本当にありがとうございます。
FF7のお話は私も同感で、後にも先にもあの時以上の感動を感じられるゲームはありません。
(おそらく同年代です)
トハさんのモデリングの美しさに共感できるのも、そこが共通点になっているのかもしれません。
これからも応援しています。
しゅうへいさん、こんにちは~
コメントどうもありがとうございます。
とてもとてもうれしいお言葉をいただいてしまって感動しています…!
いまのところ公開できる3Dモデルがトハモデルか説明せっちゃんモデルしかないので、
ブログを読んだ方は、このトハとかいうやつは色々言ってるけど実際どれくらい作れるんだよ?って思ってるだろうなぁと、トハ自身は思っていました。
しゅうへいさんのようにトハの3Dモデルを魅力的だと感じてくれる方がいらっしゃることは、これからの創作活動への大いなる励みになります…><。
本当にありがとうございます!
当時のFF7の感動を共有できる方と、ブログを通して知り合えたこともすごくうれしいです。
ブログを作ってよかったなあ~と思います。これからもがんばろ!と元気がでますね^^
当ブログも少しずつですが内容のあるものになってきましたので、
しばらくしたら作りたいゲームのための3Dモデルも制作していきたいと思っています。
人さまにお見せできるような3Dモデルができたら、ブログかTwitterなんかで公開できればと考えています。
よろしければ、そのときはどうぞまた見てやってください~
しゅうへいさん、応援のお言葉とてもうれしいです。ありがとうございます。
またいつでも当ブログにお越しください~
ブログの更新はゆっくりですが、細くながく続けていくつもりです。
今後ともよしなにしていただければありがたいです~^^
はじめまして
3DCGに最近興味を持ちだした23歳です!
トハさんのブログすごく興味深く読ませていただいています(^^)
私は高校を卒業後、フリーターをずっとしていてそろそろ就職しないと、と考えていたところに3DCGに興味を持ちはじめました。
3DCGの知識も技術もなく、とりあえずパソコン代やデジハリの学費を貯めるまで3DCG検定の勉強をしている状態です。一応七月に受けたベーシックは受かったので、今はエキスパートを受かるため勉強してます。
ただ、検定ってほとんど意味ないという意見も多くテキストで勉強する時間は作る時間に割いた方がいいのでしょうか?
もう23歳で四月から一年間デジハリで学ぶとしても就活まで時間はあまり無いと思っていて、できるだけ効率的に3DCGを学び就職したいと考えています。
次の検定月は11月なのですが、今すぐパソコンでの制作に尽力するべきか、よければご意見いただけると助かります。
りんさん、こんにちわ!
コメントどうもありがとうございます~
3DCGに興味を持ちだした23歳さんとのことで、そんな方にブログを読んでいただけるのは大変うれしいです^^
さて、まずはCGクリエイター検定ベーシックの合格おめでとうございます!
実はトハもデジハリへ行く前に、CG検定3級(今でいうCGエンジニア検定ベーシック)を取得しております。
ここではそんなトハの率直な意見を述べさせていただきたいと思います。
はっきり申し上げると、CG検定の資格が就職で有利に働くことはほぼないと思います!
トハも一応持っているので履歴書にはCG検定と色彩検定の資格を書いてましたが、面接で資格について言及されたことは一度もないです^^
書類選考の段階においても、資格のあるなしが選考の分かれ目になっていたような例は聞いたことがありません。
また、CG検定の資格取得のために勉強した知識が、実務で役に立ったという経験もトハ自身はないです。(もはやどんな勉強したか覚えてない…)
CG-ARTSのサイトでCGクリエイター検定エキスパートの参考問題を見てみたんですが、すごいややこしいですね~
おそらくですが、いま現役でプロの3DCGデザイナーとして活躍されている方がこの試験を受けても、受からないことはザラにあるように思います。
参考問題を見るとなんとなく物理や数学の問題的な感じがありますが、実際の3DCG制作でこういう考え方はしないだろうな~というのが多い印象です。
ということで、「検定ってほとんど意味ない」については、就職に関していうとそのとおり、ということになります。
ただ、資格取得のために勉強したことに意味がないかというと、そんなことはないと思います。
知識として知っているというのは、何も知らないより役に立つことは確実です。
しかしながらりんさんが1番知りたいのは、
11月の検定のために勉強するのと、パソコンで実際に3DCGを制作するの、どっちが効率的に就職に繋げられるか?だと思います。
トハとしては、もしりんさんがすぐにでも就職したいと考えているなら、3DCGを制作すべきとお答えします。
ただ、りんさんは4月から1年間デジハリで3DCGの勉強をする予定で、いまはその合間の期間ですよね。そういうことなら、学校が始まるまでのこの期間に、CG検定を受けてみるのはわるいことではないと思います。
学校が4月からなら、11月の検定が終わってからでも3DCGを作る時間はありますしね。
資格試験だろうが3DCG制作だろうが、実際に行動に移してやってみようとするりんさんのその姿勢が、なにより就職に繋がることだとトハは思います。
デジハリに行くまでにやることで他にトハがおすすめするなら、デジハリで使う3DCGソフトをさわってみておくことでしょうか~
学校で3DCGソフトの使い方も教えてくれると思いますが、先にちょっとさわって知っておくと授業であたふたしなくて済みますので^^
少し長くなってしまいましたが、トハの意見は以上になります。
りんさんの選択の参考になりましたら幸いです~応援しています!
先程の返信に返信する方法が分からなかったので、新しくコメントしますm(._.)m
丁寧な返答ありがとうございます。
わざわざ検定についても調べてくださったようで感謝です!
トハさんの意見も参考にした結果、とりあえず11月の検定はテキストも買ったので勉強しようと思います。
そして、検定後からデジハリに入学するまでの間に集中して3DCGソフトの勉強をしようと思います。
そのあとはデジハリの課題頑張ります!
自分のしていることは時間の無駄なのか不安だったので、すごく目標に向けての道筋がすっきりしました。
本当にありがとうございます!
今後もブログ参考にさせていただきますね。
あと、フリーで頑張られてるトハさんのこと僭越ながら私も応援しています(^^)
りんさん、返信いただきどうもです~
トハの回答が少しでもりんさんの助けになったのならよかったです!
検定の勉強、3DCGソフトの勉強、デジハリでの勉強となかなかハードなスケジュールかと思いますが、無理はなさらず自分のペースで続けていってくださいね~
りんさんのがんばりが時間の無駄になるだなんてことは、ぜったいにないと思います!個人的な願望でもありますが~
ブログの更新はのんびりしていますが、勉強の息抜きにでもまた見てやってください。
応援いただき本当に感謝です!トハもコツコツ続けていきますので今後ともどうぞよろしくです^^
(返信のボタンが消えていたので表示するようにしておきました!すみませんどうもです~)