
この記事は、
Blender 2.8のモデリングで、よく使うツールの使い方や小ワザについて、3Dモデルを作りながらひと通り解説する内容になっています。
3DCGソフトの使い方を覚えるなら、実際に3Dモデルを作りながら覚えていくのがおすすめです。
作りたい3Dモデルを決め、この記事を見ながら手を動かしていけば、とりあえずBlender 2.8で最低限のモデリングはできるようになる!
そんな内容を目指して書いたところ、とても長い記事になりました。
ピンポイントで知りたいことがある場合は、項目別まとめの辞書的インデックスを用意していますので、そちらから知りたい項目を探してみてください。
また、Blender 2.8でモデリング【知識編】など、ブログ内の別の記事に補足説明がある場合は、テキストが記事へのリンクになっています。必要に応じてリンク先もご確認ください~
※スマホなどでは、リンク先の内容を表示するとき位置がずれてしまうことがあります。
ちょうどいい感じの作りたいモデルを決める

新しい3DCGソフトの使い方を覚えるとき、作りたいモデルを作りながら使い方を覚えていくのが、トハ的にはおすすめのやり方です。
おすすめする理由は、3つあります。
- 実際によく使う機能の使い方から優先的に覚えられる
- 必要にせまられて覚えることは身に付きやすい
- モデルが完成したとき最低限のことができるようになってる
3DCGソフトにはいろいろと便利な機能がありますが、ぜんぶの機能を理解しなくても3Dモデルは作れます。なので、実際に作りたいモデルを作りながら、
こういうのやりたい → やり方調べる → やってみる → だんだんモデルもできていく
というサイクルでやっていくと、作りたいものを作りながら、作るのに必要なことも勉強できるので一石二鳥感があります。
また、「作りたいものを作るため」に勉強することは、モチベーションの維持にもつながります。よく知らないチュートリアルの3Dモデルを作るより、自分が作りたい3Dモデルを作る方が楽しいです。
そして3DCGソフトの使い方が分かるようになった暁には、自分が作りたかった3Dモデルも完成していることになります。そう思うと、なんかやる気も出てくるのではないでしょうか~
ここで大事なのは、作りたい3Dモデルの決め方です。
これから作っていく3Dモデルを決めるとき、考慮した方がいいポイントがいくつかあります。
- 好きなもの、作ってて楽しそうなもの、心底作りたいものを選ぶ
- ただし、最初から複雑すぎたり難しすぎるものを選ぶのはやめとく
- ほどよく作りやすそう、かつ興味が保てる”ちょうどいい感じ”を探す
- すでに世にあるものからたくさん参考資料を集められるものにする
抽象的でちょっと分かりにくいかもしれません。
例えばで言うと、ポケモンが大好きでもいきなりリザードンを作るのはやめといて、まずはヒトカゲから作ってみるのがいいということです。ヒトカゲもけっこう難しそうだなと思ったら、最初に作るのはニョロモにしてみるのもいいです。
ポケモンであれば絵とかゲームとかぬいぐるみとか、参考にできる資料がたくさんあります。
これが自分で考えたオリジナルキャラなどになると、参考資料から自分で作る必要があるのでハードルがあがります。
難しすぎたり完成までのハードルが高すぎるものは、最後までモチベーションを維持することができず、作ってる途中で挫折してしまう可能性が高くなります。
作っていて楽しそうで、自分でもなんとなく作り上げることができそうな気がする”ちょうどいい感じ”を、ソフトの使い方を覚えながら作る3Dモデルに選ぶのがコツです。

※版権物の3Dモデルは練習用・ファンアートとして作ってね
ちなみにトハは、Blender 2.8で作る最初の3Dモデルをトハモデルにしました。
- トハ自身のアイコンにする3Dモデルが作りたかった
- 複雑すぎず難しすぎないちょうどいい感じのデザイン
- ポーズを付けたいのでボーンやウェイトの勉強もできる

オリジナルモデルなので資料は少ないですが、その辺は自分で用意しています。(参考:トハモデル作成のために集めた資料たち)
それでは次から、実際にトハモデルを例として作りながら、Blender 2.8のモデリングについて見ていきたいと思います。
実際にモデリング① ミラーで左右対称の準備まで

ではさっそくモデリングしていきます。
キャラクターの3Dモデルは、ベース部分は左右対称でモデリングした方が作りやすいです。まずは左右対称モデリングの、準備をするところまで進めます。
Blender 2.8を起動するとキューブのオブジェクトが真ん中にありますが、せっかくなのでデフォルトキューブは[Delete]で削除して、キューブオブジェクトを追加するとこから始めます。
3Dビューポートの操作方法などは、Blender 2.8 基本の操作方法で解説していますのでそちらをご確認ください。また、基本的にショートカットを使わない方法でモデリングしていきます。
・オブジェクトの追加
Blender 2.8のシーンにオブジェクトを追加します。
オブジェクトの追加は、ヘッダーメニューの[追加]からできます。[追加]をクリックすると、こんなメニューが表示されます。
Blenderシーン内になにかオブジェクトを追加作成したいときは、基本的にぜんぶこの追加メニューから作成できます。
メッシュ、カーブ、テキスト、ライト、カメラ…いろいろあります。円柱や球体、トーラス(ドーナツ型)のオブジェクトなどは、メッシュのところから選んで追加できます。
今はキューブオブジェクトを追加したいので、追加→メッシュ→立方体 を選びます。
・オペレーターパネルで詳細設定
立方体を追加すると、3Dビューポートの左下にオペレーターパネルが表示されます。
小さく表示されている場合は、クリックすればパネルが大きくなります。
キューブ追加時のオペレーターパネルでは、キューブのサイズや位置を変更することができます。サイズを1m、位置を(0、0、0.5m)に設定すれば、こんな感じのキューブを作成できます。
・Blender 2.8の基準単位
Blender 2.8のデフォルト基準単位はメートル(m)です。
このため、キューブのサイズや位置の単位はメートルになっています。
基準単位は変更することもできます。
プロパティエディターからシーンタブを選択すると、「単位」の項目があります。長さの欄をMetersからCentimetersに変更すれば、基準単位がセンチメートル(cm)に変更されます。
基準単位をセンチメートルにすると、オペレーターパネルの単位もセンチメートルに変わります。
基本的にはBlenderデフォルトの単位設定で問題ないと思いますが、基準単位の異なる3DCGソフトとデータをやりとりする場合は、単位のちがいによる問題が起きることがあります。(Mayaだと基準単位はセンチメートル)
ちなみにUnityの基準単位はメートルです。Blender-Unity間で単位の問題は起きないはずです。
・ループカットツール
左右対称でモデリングする準備のために、追加したキューブを半分にカットしたいです。
オブジェクトモードになっていたら編集モードにし、ツールバーからループカットを選択します。
四角ポリゴンがつながっている部分なら、自動的にぐるっとカットしてくれます。
基本的には辺の中点を通るようにカットしますが、オペレーターパネルを使ってカットの位置や分割数を調整できます。
個人的にループカットは、非常によく使う使い勝手のいいツールです。
今はキューブを半分にカットするだけなので、オペレーターパネルの設定は特に変更しません。
・ポリゴンの削除
左右対称モデリングの準備として、カットしたキューブの左半分のポリゴンを削除します。
面の編集モードにして、削除したいポリゴンを選択します。このとき裏側の隠れた面も選択したい場合は、透過表示をONにします。
削除したいポリゴンを選択してDeleteキーを押すと、削除のメニューが表示されます。選択したポリゴンをふつうに削除したいときは 削除→面 でOKです。
ちなみにヘッダーメニューから メッシュ→削除→面 とやっても同じです。
・ポリゴン面の中心点を表示/非表示
面の編集モードにしているとき、ポリゴン面に中心点を表示することができます。
方法は編集モードになっている状態で、ビューポートオーバーレイを開いて、「メッシュ編集モード(Mesh Edit Mode)」の「中心」をチェックします。
ポリゴン面の中心点は表示されるだけで、ポリゴンの選択方法には特に影響しません。(Mayaだと中心点の選択=ポリゴンの選択にできる設定があります)
面の編集モード中、ということが分かりやすいように、トハは中心点表示をONにしています。
・ミラーモディファイアー
キューブの左半分のポリゴンを削除したら、ミラーモディファイアーを適用します。
ミラーモディファイアーを使うと、左右対称や上下対称にモデリングできます。
モディファイアーというのは、オブジェクトに乗せられる特殊効果のようなものです。いろんな種類のモディファイアーがあり、ひとつのオブジェクトに複数のモディファイアーを乗せられます。
プロパティエディターのモディファイアータブを選択して、モディファイアーを追加▽をクリックします。表示されたモディファイアーの一覧の中から、ミラーを探して選択します。
これでキューブの右側だけ編集すれば、左側は自動的にミラーで作成されるようになりました。
ミラーモディファイアーには設定がいろいろあります。ミラーする軸を変えたり追加したり、ミラー表示を3DビューポートでOFFにしたりもできます。
モディファイアーは「適用」ボタンを押してオブジェクトに適用しない限り、いつでも削除したり修正したりできます。実際に自分で設定をいろいろさわって、どうなるか確認してみてください。
なお、ミラーモディファイアーの設定の中に、□クリッピングという項目があります。
クリッピングをチェックしてONの状態にすると、ミラー軸に面している頂点が軸に吸着するようになり、うっかり頂点が移動してスキマが開いたりするのを防ぐことができます。
とても便利な機能なので、積極的に使っていきたいです。
(※クリッピング機能はコメントにて教えていただきました!情報提供ありがとうございます~)
・シーンデータの保存
ここで一度Blender 2.8のシーンを保存しておきます。
シーンデータの保存は上部メニューから、
ファイル→保存( Ctrl+S )、または ファイル→名前を付けて保存( Shift+Ctrl+S )です。
データの保存は、マメにやったほうがいいです。
Blenderに限らず3DCGソフトというのは、突然フリーズしたり落ちたりすることがあります。長時間データ保存しないで作業していると、思わぬフリーズで作業がぜんぶ消えることもあります。
心配な場合は、自動保存の機能を使ってみるのもいいです。
また、すべて1つのデータに上書き保存するのではなく、段階ごとに別名保存して保存データのバージョンを残していくことをおすすめします。
ごくごく稀にですが、保存したデータがなんらかの問題で壊れてしまい、データが開けなくなることも起こります。少し前の保存データが残っていれば、被害を少なく抑えられます。
実際にモデリング② ポリゴンや頂点をいろいろ編集

ミラーモディファイアーを乗せて、左右対称モデリングの準備が整いました。
ここからはポリゴン編集や頂点移動を駆使し、キューブをトハモデルの体ぽい形にしていきます。
モデリングでよく使うツールや、知ってるとちょっと便利な小ワザを紹介しながら進めます。
※キューブオブジェクトから実際にモデルの形を作っていく方法については、3dモデルの作り方~ゼロからやってみるキャラクターモデリング~もあわせて参考にしてみてください。
・ループ選択
頂点選択はツールバーのボックス選択からできますが、それとは別にループ選択もよく使います。
Maya風キーマップを使用しているときは、頂点・辺・面のループ選択はダブルクリックでできます。コツは、”ループ選択したい方向のエッジらへん”をダブルクリックすることです。
選択系はShiftを押しながらで追加選択にできるので、Shiftとダブルクリックを使えば複数のループ選択をすることができます。
・選択した頂点、辺、面を他の要素に変換する
編集モードで頂点やエッジやポリゴンを選択しているとき、そのまま他要素の編集モードに切り替えると、選択していた部分が切り替え先の要素に変換されます。
例えば辺編集モードでエッジを選択して、そのまま頂点編集モードに切り替えると、自動的にエッジ部分の頂点を選択した状態になります。
要素の切り替えはショートカット1 2 3キーでもできます。合わせて使うといい感じです。
・ナイフツール
ナイフツールは、ループカットより自由な感じでポリゴンをカットできます。
ツールバーからナイフツールを選択すると、カーソルの形がナイフに変わります。この状態でオブジェクトのどこかを一度クリックすると、緑と赤の点と線が表示されます。
そのままマウスカーソルを動かしてみると、点と線がオブジェクト上を移動します。
ナイフツールの赤緑点は、オブジェクトの頂点に微妙にスナップしてくれます。赤緑点が頂点にスナップしているときクリックすれば、ちょうど頂点のところでカットできます。
エッジの上でクリックすれば、クリックしたところに新しい頂点が作られます。このときCtrlキーを押しながらクリックすると、赤緑点がエッジのちょうど真ん中にスナップします。(Ctrlを押しているときは頂点にもしっかりスナップします。)
Industry Compatibleキーマップを使っている場合は、マウス右クリックでカットを確定できますが、それ以外のキーマップの場合はEnterキーを押してカットを確定します。
ナイフツールは、頂点やエッジじゃなくてもポリゴン上ならどこでもクリックしてカットできますが、あまり自由にカットしすぎると多角形ポリゴンがたくさんできてしまいます。
多角形ポリゴンを残すといいことは起きないので、多角形ポリゴンになったところは追加でカットして、三角や四角のポリゴンにしておくことをおすすめします。
※詳細は、別記事の人間にやさしい四角ポリゴン、ゲーム処理にやさしい三角ポリゴンを参照~
・辺、頂点をスライドツール
選択したエッジや頂点を、交差するエッジに沿ってスライド移動できるツールです。
ツールの切り替えはツールバーのボタンを長押しでできます。
オブジェクトの形をなるべく変えずに、頂点やエッジの位置をちょっと変えたい、というときに大活躍します。
ローポリ時点のモデリングではあまり使わないですが、だんだんポリゴンの分割数が増えてきてモデルがハイポリになってきたとき、トポロジー(ポリゴンの割り)を整えるのに使うと便利です。
・収縮/膨張ツール
選択した頂点や面を、ふくらませるような/しぼませるような方向に移動できるツールです。
つまり、頂点や面をそれぞれの法線方向へ移動できます。
使い方としては、例えばキャラクターの手足を全体的に太く/細く調整したいとき、素体モデルのコピーからひと回り大きい服のモデルを作りたいとき、などに使えます。
トハモデルで言えば、胴回りをちょっと太くするのにも使えます。
ミラーモディファイアー使用中は、クリッピング機能をONにすることで、胴回りのような全方向への収縮/膨張も問題なく行えます。
クリッピング機能OFFの場合は、ミラー軸に面した頂点も移動してしまい、ポリゴンが離れたり重なったりするので注意です。
・頂点の整列
ポリゴンカットや頂点移動を繰り返していると、だんだん頂点の位置がガタガタになってきます。
このへんで、頂点を1方向にピタッと整列できる小ワザを紹介してみます。
まず、ピタッと整列させたい頂点を、ループ選択やボックス選択で選択します。その状態で拡大縮小ツールに切り替え、整列させたい軸方向のギズモ掴んでを動かします。
そのままキーボードのゼロ0キーを押します。すると選択した頂点がピタッと整列します。
・頂点の結合
選択した頂点の結合は、ヘッダーの編集モードメニューから 頂点→頂点をマージ でできます。
が、さきほどの拡大縮小ツールのピタッと整列を応用する方法もあります。
まずサイドバーのツールの▽オプションから、□自動マージにチェックを入れます。
自動マージをONにすると、同じ場所にある頂点は自動でマージされるようになります。
自動マージにチェックしたら結合したい頂点を選択し、拡大縮小ツールに切り替え、ギズモを全方向へ拡縮できるように動かします。
そのままキーボードから0を入力すると、選択した頂点がすべて1点に集まりマージされます。(キャプチャ右下に頂点数が表示されてます)
・頂点の縫い付け結合
重複頂点の自動マージを応用すると、頂点を縫い付けるように結合することもできます。
頂点の縫い付け結合をするには、スナップ機能も併用します。ヘッダーメニューからスナップ機能をONにして、スナップの設定を「頂点」にします。
縫い付け結合したい頂点を掴んで、縫い付け先の頂点のところへ移動させると、頂点スナップされて2つの頂点が重なり自動的に結合されます。
頂点の縫い付け結合は、ポリゴンの割り(トポロジー)を調整するのにも使えて便利です。
ポリゴンがカットできて、頂点の移動ができて、頂点の結合ができるとなれば、だいたいの3Dモデルは作ることができます。モデリングであと必要なのは押し出しです。
・押し出しツール
選択した面やエッジを押し出して、新しいポリゴンを作り出せるツールです。
押し出しツールは、トハ流ポリゴンモデリングにおいて非常によく使います。
Mayaの押し出しツールでは、押し出した後にポリゴンを一体にするか個別にするかのオプションが選べましたが、Blenderの押し出しツールは、オプションごとにツール自体が分かれています。
※ツールの切り替えはツールバーのボタンを長押しでできます。
選択する押し出しツールによって、押し出し後の結果が変わってくるので注意です。
押し出しツールを選択するだけではなにも起こらず、押し出しツールを使って面など移動させたとき、初めて新しいポリゴンが作られます。
・サブディビジョンサーフェスモディファイアー
押し出しで羽を作ったトハモデルに、サブディビジョンサーフェス(細分化)のモディファイアーを乗せます。
プロパティエディターのモディファイアータブから、サブディビジョンサーフェスを追加します。
※モディファイアー追加の方法については、ミラーモディファイアーの項目をご参考ください~
サブディビジョンサーフェスを使うと、自動でポリゴン分割されてハイポリ&滑らかになります。
モディファイアーは「適用」ボタンを押すまでは、仮で効果が乗っているような状態です。
サブディビジョンサーフェスモディファイアーを使うと、実際の頂点数は増やさずに、見た目だけをハイポリ&滑らかにして編集できます。
サブディビジョンサーフェスは見た目の最終仕上げ的に使うことも多いですが、モデリング手法のひとつとして途中の段階で使うこともできます。
サブディビジョンサーフェスを使って少ない頂点で滑らかな形状を編集し、形状ができたらモディファイアーを「適用」して、細部のトポロジーは手動で調整する方法です。
ある程度ローポリの3Dモデルなら、けっこう使える手法だと思います。
・モディファイアーの順番
モディファイアーは、オブジェクトに乗せる順番によって結果がちがってくる場合があります。
トハモデルの場合、先にミラーモディファイアーを乗せたので ①ミラー②サブディビジョンサーフェス の順番で効果が乗っています。プロパティエディターを見ると、ミラーが上にあります。
Blenderは、上にあるモディファイアーの効果から順番にあたります。
モディファイアーの順番は、モディファイアー名の横にある[△▽]をクリックして変更できます。
試しにトハモデルのモデファイヤーの順番を入れ替えて、①サブディビジョンサーフェス②ミラー にしてみると、オブジェクトの見た目が変わります。
モディファイアーの順番がどう結果に影響するかは、モディファイアーの組み合わせごとにちがうので細かく説明するのは難しいです。
とにかく、モディファイアーの順番には意味があることは覚えておくのがいいと思います。
実際にモデリング③ 細かい調整と仕上げ

だんだんモデリングができてきたら、モデルの細かい部分を編集したり、完成した個々のパーツを仕上げたりしていきます。
ここからは、細かい作業をやりやすくする方法や、仕上げの段階でやることなどを見ていきます。
・選択の拡大/縮小
トハモデルに羽の部分を作りましたが、羽部分だけ選択する小ワザを紹介します。
選択の拡大/縮小を使うと、ボックス選択などでは選択しにくい入り組んだ部分をうまく選択できます。ヘッダメニューの[選択]から、選択の拡大/縮小 を使います。
選択を拡大 Shift+. 、選択を縮小 Shift+, というショートカットが記載してありますが、ここのショートカット記載は使っているキーマップによって変化します。
ループ選択と選択の拡大を併用すれば、こんな感じで羽の部分だけきれいに選択できます。
・選択したポリゴンの分離
選択した羽の部分を、体オブジェクトから別のオブジェクトに分離してみます。
ヘッダーの編集モードメニュー[メッシュ]から、分離→選択 でできます。
体と羽を分離すると、サブディビジョンサーフェスのかかり方が少し変わるので注意です。
・アウトライナーでオブジェクト管理
羽と体のオブジェクトを分けておくと、アウトライナーでオブジェクトごとに管理ができるので、モデリングがやりやすくなります。
例えば、体の編集をするとき羽がじゃまなら非表示にしたり、羽を選択できないようにロックしたりできます。矢印マークが選択可/不可の制御、目玉マークが表示/非表示の制御です。
アウトライナーに制御のアイコンが表示されていない場合は、右上のマークから制限の切り替えメニューを開いて、それぞれのアイコンをONにすれば表示できます。
・選択したポリゴンだけ表示する
オブジェクト単位ではなく、ポリゴン単位で表示/非表示する方法もあります。
表示したいポリゴンを選択して、ヘッダーの編集モードメニュー[メッシュ]から、表示/隠す→選択していないものを隠すです。同じところに 選択物を隠す、隠したものを表示もあります。
3Dモデルの細かいところを編集するときは、じゃまな部分を隠すなどして、作業しやすいように整えるとストレスなく作業できます。
また、Shiftを押しながらの移動・回転・拡大縮小や、選択している部分にフォーカスする機能(Maya風キーマップを使用中はFキー)を使うことで、細かい作業もやりやすくなります。
・フラットシェード/スムーズシェード
モデリングできたオブジェクトは、仕上げとしてポリゴンのスムーズ処理を整えます。
※スムーズ処理については、ポリゴンは平面、ポリゴンを集めても”曲面”は作れないを参照~
スムーズ処理をかけるには、ヘッダーのオブジェクトモードメニューから、オブジェクト→スムーズシェード です。(逆にスムーズシェードを外すのは、オブジェクト→フラットシェード)
ただし、単純にスムーズシェードにするだけではシェーディングがきたなくなる場合があります。
そんなときは、「自動スムーズ」と「辺のシャープ」を併用してスムーズシェードを調整します。
やり方は、まずスムーズシェードをかけてからプロパティエディターのオブジェクトデータタブを選択し、▽ノーマルにある自動スムーズにチェックします。
「▽自動スムーズ」をクリックして開くと、スムーズ処理する角度の設定ができます。
角度の設定だけでほしい感じのスムーズになるときは問題ないですが、手動でスムーズの調整をしたいときは角度設定を180°にします。
そしてスムーズを調整するオブジェクトを辺の編集モードにし、スムーズさせたくないエッジを選択したら、ヘッダメニューから 辺→シャープをマーク します。
これで自分のすきなようにスムーズする場所を調整できます。
・オブジェクトのクリーンアップ
最終的に完成した3Dモデルは、クリーンアップしたり、作業途中の不要な値を消してデータをきれいにしておきます。
クリーンアップは、ヘッダーの編集モードメニュー[メッシュ]から、クリーンアップでできます。
項目が色々ありますが、重複頂点などは「距離でマージ」で結合できます。「孤立を削除」で孤立している変な面や頂点を削除したりできます。
・オブジェクトの適用(フリーズ&リセット)
また、オブジェクトの移動や回転の値をきれいにするには、オブジェクトの適用をします。
位置と回転の値は(0、0、0)、拡大縮小の値は(1、1、1)にして、3Dモデルの原点の位置はグローバル座標の原点にしておくのが一般的です。(※仕様的に特別な指定がある場合は別です)
この状態にするには、ヘッダーのオブジェクトモードメニュー[適用]から、全トランスフォーム でできます。Mayaでいうフリーズ&リセットと同じになります。
位置だけ、回転と拡縮だけ、などの適用もできるので、状況に合わせて使い分けてみてください。
まとめ:モデル完成時にはだいたいのモデリング操作が分かる

最後まで記事を読んでくれた方、どうもありがとうございます!お疲れさまです~
とても長くなってしまいましたが、この【実践編】と別記事の【知識編】を読めば、Blender 2.8のモデリングで最低限必要なことは、カバーできるようにしたつもりです。
あとは実際に手を動かすのみなので、記事を参考にいろいろ作ってみてください~
Blender 2.8のアーマチュアやUV展開、マテリアルなどについては、いつかは記事にしたいと思っていますが、いつになるかは分かりません。
トハ自身がBlender 2.8を勉強中の身であるため、人さまにお伝えできるくらい理解が深まってきたら、また新しい記事にまとめたいと思います。
Blender 2.8でレッツ3DCGライフ、お互いにがんばっていきましょう~^^
これからBlender 2.8を使ってみようかな?と思った人は、こちらのBlender 2.8を始めるシリーズもぜひ読んでみてください~↓
コメント一覧
Blender2.8正式版リリース楽しみですね。
注目度が高まる中で、基本的な要素をワークフローに沿った形でまとめられているのは価値あることだと思います。
ひとつ情報提供させてください。
ミラーモディファイアにはクリッピングという機能があります。
基準面上の頂点を基準面に吸着させる機能であり、これによってミラーや収縮/膨張ツールの項目にあった、ポリゴンが離れたり重なったりする状態を防ぐことが出来ます。
梅雨明けも進み暑くなってきました。
屋内でも熱中症は起こりうるので、冷房による寒暖差や脱水にお気をつけくださいませ。
よもんさん、コメント&情報提供どうもありがとうございます~!
クリッピングの機能知りませんでした!とっても助かります~><
記事を修正するのに少し時間が必要なので、ひとまずよもんさんのコメントを補足情報として紹介させていただきます!
もしまたなにか発見されましたらぜひぜひ指摘してやってください~
体調まで気づかっていただいてどうもありがとうございます!
【2019/7/25 追記】
ミラーモディファイアー&収縮/膨張ツールについて、クリッピング機能についての内容を追記修正いたしました~
よもんさん、コメントしていただいて本当にありがとうございましたっ
2.8のチュートリアルサイトが少ないため凄いこのサイトはありがたかったです!
ちなみに、このチュートリアルで作ってみたトハモデルをTwitterでツイートしていいですか?
2.8のチュートリアルサイトをさまよってここにたどり着きましたさん、コメントどうもありがとうございます。
ブログの記事を参考にしていただけたとはうれしいです~
Twitterでのツイートについては、当ブログを参考にして作った練習モデルであることを明記していただけるなら問題ありません。
トハモデルを利用してご自分の作品などを制作することはご遠慮ください。(ないとは思いますが念のため^^)
よければまたいつでも当ブログの記事を見てやってください~
45歳にして3Dをやってみたくなったグラフィックデザイナーです。なにがなんでもお金はかけたくなかったのでblenderのレクチャーありがたい限り。今後とも参考にさせて頂きたいのでどうか「優しく」記事を進めて頂けると助かりますw。
コイルさん、コメントどうもありがとうございます~
Blender記事、参考にしていただけたならよかったです^^
当ブログはわかりやすい内容の記事を発信するよう心がけております。
ただ、トハ自身がまだBlenderを勉強中のため、記事の更新はゆっくりになっています。
これからもBlenderに関する記事を書いていきたいと思っておりますが、
どうかのんびりお待ちくださいますようお願いいたします~m(_ _)m
ミラーモディファイアーから実際のモデリング②の間の工程がないので、■からいきなりいい感じの形になっていたのが理解に苦しみました。ド素人なので、そこをどうやるのか自分で模索するのに時間がかかってしまいました。
自分で頑張ってという意図があるならこれでいいと思いますが、できれば間の作業も説明してほしかったです。
と言いながら、とても参考になる記事ありがとうございます。まだド素人なので、これからも参考にさせていただきます。
ウォッチさん、コメントいただきありがとうございます~
こちらの記事は「モデリングに最低限必要なBlenderの使い方紹介」の意味合いが強く、実際のモデリングのやり方については端折っている部分が多いです。
四角のオブジェクトからモデルの形をつくっていく方法については、3dモデルの作り方~ゼロからやってみるキャラクターモデリング~で書いていますので、そちらの記事も合わせて見ていただければと思います。
この記事の①→②の工程の間にも、参考記事へのリンクを追加しておきました。ご意見どうもありがとうございます~
記事の更新はゆっくりペースですが、これからもウォッチさんに参考にしていただけるような記事になるよう心掛けていきたいと思います。
よければまた当ブログの記事を見にきてやってください~
Blender 2.8 書籍もないのでこのサイトが大変ありがたく勉強させていただいています。
ひとつどうしても抜け出せない不便が生じました、マウスポインターが十文字をまるで囲ったものになってしまって、
点で選択したいのに、その丸の範囲選択しかできなくなってしまいました。
ひとつづつつまんで編集したいのですが、何をしてしまったのか、どうしても初期のように戻せず、困っております。
いろいろ試してみましたがどうしたら戻せるでしょうか。
新規で開けば、点で選択できる初期のポインターですが、
ここまで作ってきたものを編集しものを開くと、十文字丸も保存されており戻せません
教えていただけると助かります。
ツールのセレクトサークルの大きさを大きくしてしまったことが原因でした。1に戻したら解決しました。
失礼いたしました。
モデリング初めてまだ1か月さん、コメントどうもありがとうございます~
なにもできなくてすみませんでしたが問題は解決したようなのでよかったです!
ブログを見ていただいてありがとうございます~
トハ自身Blender 2.8勉強中のためなかなか新しい記事を書くことができませんが、
よかったら今後も参考にしていただけるとうれしいです^^
学生です。
ある学校の放送委員会に所属しており、主にAdobeのpremiere proを使って動画編集をしています。
この度、文化祭などが終わり、業務がひと段落つきまして、その間にできれば新しいことにもチャレンジして、来年度の映像編集に役立てたいと思っております。
トハさんの書かれている記事を読んで勉強中なのですが、カメラワークのことがわかりません。
できれば書いていただけたら……
ジャキさん、ブログ見ていただいてコメントもいただいてありがとございます~
学生さんで動画編集されているとは動画編集ほぼやったことないトハは尊敬します。
Blenderをつかって新しい映像作成にチャレンジされるということなんですね~
さてBlender 2.8のカメラワークについてですが、現状トハはBlenderのカメラについてはまったく詳しくありません!
というのもトハがBlenderを使うのはゲームで使う3DCGを作るのが目的で、Blender上でのカメラワークの知識はあまり必要がないためです。
静止画をレンダリングするのに必要な知識くらいで、カメラのアニメーションについては調べたことがなかったです。
申し訳ないことにこんな感じなので、トハのブログでカメラワークの記事を書く可能性はとても低そうです…
そこで、この機会にちょっとBlenderのカメラワークについて調べてみました。
代わりといってはなんですが、参考になりそうなものがありましたのでいくつか紹介させていただきます。
[2.8]カメラ周りの操作
Blender 2.8の基本的なカメラ操作について書かれた記事です。
【Blender】カメラワークの付け方
Blender 2.7の記事ですが、カメラワークの付け方について書かれた記事です。
#12 悪魔のBlender入門 カーブを使ったカメラワーク Blender2.8
Blender 2.8でカーブに沿ったカメラワークを付けるチュートリアル動画です。
ジャキさんからいただいたコメントをきっかけに、トハも以前より少しだけBlenderのカメラワークについて詳しくなりました!ありがとうございます^^
動画作成のためにはもっといろいろ勉強する必要があるかと思いますが、とっかかりのひとつになれば幸いです。どうぞよろしくです~
ありがとうございます‼️
次はよ
こんどるさん、コメントどうもです~
記事内にも書いている通りBlenderはまだ勉強中なので更新はゆっくりです。
気長にお待ちいただくか、別のサイトやチュートリアル等を参考になさってください~よろしくです。